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Netflix オリジナルドラマ 『ハリウッド』
あまりにもきらびやかで、それでいて真っ黒だ。文字通りハリウッドで夢を追う若者たちが手を取り合い、本当に世界を変えてしまおうとする物語。舞台は1940年代のハリウッド。とびきり豪華できらびやかな反面人種差別やセクシュアリティーにおける偏見、セクハラ、パワハラ…そういったもの全てが臆されずに堂々と描かれている。ポップに描かれつつも滲み出てくるほの暗ささえある。出てくる登場人物全てがそれぞれマイノリティーな部分や苦しみ、葛藤を抱えつつも偏見に負けじと「メグ」という映画の制作によって世界を変えようと、いや実際世界を変える。
全7話と比較的コンパクトで物語の展開が早くポンポンと場面が移り変わり起承転結する。「メグ」の製作に取り掛かった以降は特に。あまりにもトントン拍子に物事が進みすぎてはいないか?これは事実としてある歴史を変えてしまうことにはなり得ないのか?そう考えてしまいそうになるくらいには。
だが、『ハリウッド』は'' もしも物語を書きかえられたら?'' という観点が物語の中心にあるように思う。
「メグ」が実際に起こった事件を元にした脚本であるように、『ハリウッド』にも往年のハリウッド黄金期を彩ったスターたちが登場する。
ロック・ハドソンや、アンナ・メイ・ウォン、ハティ・マクダニエルなど時代に翻弄されたハリウッドの先駆者たちが登場し、彼らが実際とは異なる花道を歩く。実際は道のりはまだ遠くさながら茨のようだったかもしれないが、「映画は現実だけでなく、あるべき姿も書ける」だからこそ、「物語は書きかえられている」のだ。あまりにも豪華絢爛に、特に昨今鬱蒼と漂う空気感など跳ね飛ばしてくれそうな勢いで。誰も負けない。立ち上がって、朝日を見ようと言わんばかりに。
今はひたすらにきらきらとあふれる希望が欲しい。そんな人への最高の灯火だ。