震えるほど儚く

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いろいろ日記

 

 

普段あまり漫画を読まないんだけど「東独にいた」という端的に言うと東ドイツの特殊部隊にいる軍人のアナベルと反社会組織のリーダーであるユキロウの相反する思想とその所属とそれがゆえに巻き起こってしまうあらゆることを描いた群像劇の作品を読んでそれがすごく面白くてハマっている。大声で大笑いできるとか、ハッピーエンドで大団円みたいな作風ではないんだけど、生まれが、育ってきた環境がほうであったが故にそうせざるを得ないそこに正義を持つことしか出来ない何かがあって、ユキロウがアナベルに言うように「きみは間違っていない」ので背中を向け合う道を歩むしかないふたりというのがなんともいろんなことをぐるぐる考え込んでしまうような感じがして、これ、進撃の巨人を読んだときの気持ちと似ているなぁと思った。

 

進撃の巨人だと、とくにマーレ編に突入して以降の正義と悪の概念がそれ以前とは全く正反対にひっくり返されるような感じがあって、巨人側の人間=裏切り者だった3人が何故そうせねばならなかったかが描かれていてそこの目線で見ると主人公たちを悪として見ないと生きていくのが困難だったりそもそも生まれてからずっと虐げられて生きてきて嫌いになるしか無かったみたいな部分があるんだけど、反社会組織のリーダーとして生きているユキロウも恐らくそういう所があったんだろうなぁと。 アナベルがユキロウに「反体制派の人間は嫌いかい?」と尋ねられた時に、まだユキロウがそっち側の人間とは知らずにアナベルが「彼らが悲しみのようなものを訴えているような気がする 本当は誰だって自分の国を愛していたかったはずだから」と答えているんだけど、あぁお互いに違う正義を持っているというだけで、知らず知らずのうちにお互いを救う言葉をかけあっているんだけど正義のありどころが違うがあまりに切ないなぁと思う。

 

まだ既刊分全部を読めてないんだけど実はお互いがお互いを救いあっているという部分は物語の根幹なのかもしれないし、そうであって欲しいという願いが半分かもしれない。