震えるほど儚く

好きなアイドルがたくさんいます

久しぶりの現場が観劇だったという話①

 

 

先日、Le Fils息子を観劇した。舞台の地方公演があることや、ましてやジャニーズの人が来ることなんてことはそうそう無いので、思い切ってチケットを購入した。 中に入るまでは観劇しそうな人達の姿が1ミリもなかったので、日付が間違ってやいないかと心配になったが、ロビーを抜けるとたくさん入場を待っているおそらく同じ舞台を見に来ていたであろうひと達がいて、安心した。この子ジャニヲタっぽい!みたいな子も、落ち着いた雰囲気のおそらくオタクかな?みたいな人もいたが、結構年齢層高めで単純にこのLe Fils息子という作品に惹かれて来た演劇通っぽい人の割合がかなり高かった気がする。岡本健一のファンの存在を加味してもやはり色んな層のひと達が混ざりあった特異な空間だったと記憶している。

 

こういう本格的な舞台を観劇することははじめてで、ジャニーズの舞台を見たのもプレゾンが最後だったので振る舞いがわからずにずっとそわそわしていた気がする。最後、キャストの方々が何回もお辞儀をしてくれる所でなんてサービス精神に溢れているんだ!と思ったが、一緒に観劇した友達に言わせるとあれは舞台では普通のことらしい。

 

 

端的に言うと救いのない話だった。リアル親子の2人が父と息子を演じているのでそれから生まれるどことなくずっと噛み合わなくて物事が悪い方向にしか進まないような歯車の狂い方をしているのが辛くて、ピエール(父)が光の中でぼうっと立っているという描写で始まり、終わりを迎えたその空白の作り方がこの物語自体がピエールの回顧録のようなものだったのかもしれないと思わせるような感じがした。ニコラ(息子)が「人生が重すぎる!」「生きるのに向いてない!」と吐露するところでどうしようもなく辛くなってしまい、あぁ分かるなぁと思わず共感して心の奥に鉛が溶けだしてくるような思いがした。みんなが普通にできていることができなかったり、漠然と悲しかったり、本質的な理解が得られない辛さがずっとニコラにはある気がして。

 

 

考察したがりとか頭でいろいろぐるぐる考えたがりには色んな材料が絶えず頭の中に飛び込んであらゆることを思い描いてしまう舞台だった。