1話・2話を見逃してしまっていたので3話からはじめて恋せぬ2人を見た。アロマンティック・アセクシャルの2人が共同生活を送るという話で描かれ方がどうなのか、傷つきたくないという怖さがあったけれども、あらゆる面において全てが丁寧だった。咲子に「イチャついてんの?」と恐らくなんの悪気もなくフレンドリーな会話のつもりでプライバシーに踏み込んでしまう残酷さとそれに上手く答えられずにもやもやしてしまう境界線の曖昧さも高橋と咲子を尾行した上に理解ができない気持ちとある種の嫉妬心のような気持ちが湧き上がってデリカシーのない言葉を投げかけてしまう松岡も分からないことを理解しようとしない残酷さとずっとそうであるとされてきたことを覆す難しさと共に描かれていたと思う。
途中でポイントカードの特典巡りを終えた後に喫茶店で高橋に課せられたアンケートについて答えながら咲子が恋愛遍歴を話すシーンがあったんだけどどれも身に覚えがありすぎて苦しかった。「いつかわかるよ」と言われ続けてもずっと分からないままおとなになってしまったし、それを完全に理解はできないもののその感情の味方になってくれる、私にも咲子にとっての高橋のような人が隣にいて欲しいのかもしれない。如何せん考えることを辞めて生きてきたのでとわ子に出てくるかごめちゃんとか恋せぬ2人の咲子の姿を通してずっと言語化したかったけどどう言語化していいか分からなかったことを優しく、柔らかくことばにしてくれていることを通して私は多分私のことを自認したいんだと思う。
あと、咲子と松岡の共通の趣味がアイドルで、「活動してなくても推しは推し」とか「活動休止中のアイドルは休止中もアイドルだろ?」みたいな発現がポンポン出てくるのも本当にそうなんだよなぁと感覚の嵐で、私にとってのそれはきっと去年偶然出会ってしまった菅谷梨沙子さんで、その偶然の合致がまぶしくて、切なかった。
これは来週以降もちゃんと見て、咀嚼していきたい。