震えるほど儚く

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アイアン・スカイを見たあれこれ

 

アイアン・スカイを視聴した。ツイッターを見ていたらアイアンスカイ第三帝国の逆襲がGYAOで無料で見られるのでおもしろいから見ろと言われ、あらすじがおもしろそうだったので見たら笑えるようで笑えないけどやっぱり不謹慎なブラックジョーク満載のあらゆる方向に不謹慎かつ頭を空っぽにしていられるB級SF映画だったので、アマプラでアイアン・スカイを見つけたので何故か続編の次に前作を見るという変な順番で見て見たのである。

 

いくらでも細かいあらすじは転がっているので明記しないけど、この作品はバカSF映画の皮を被ったように見えて社会風刺をパンパンに膨らませたやっぱりドB級サイコーSF映画なんだと思う。ジェームズが月面ナチスの博士(主人公・レナーテの父親)のリヒター博士が開発したのが「白人化の薬」だったとか、レナーテが冒頭で月面ナチスのこどもたちに見せていたチャップリンの独裁者という映画が「プロバガンダの常套句の都合の良い切り取り」だったとか、月面ナチスが持っていたヘリウム3という資源の所有権を各国の首脳会議を偉そうに進めていたアメリカが当然のように主張したので他国首脳陣の怒りを買ってしまい核攻撃に発展してしまうとか、月面ナチスが地球に攻撃を仕掛けてくる際に各国首脳陣がうちは関係ありません的な責任のなすり付けあいをしている中で北朝鮮だけが「親愛なる首領様が自ら設計し組み立てられた!」と言い失笑されるとかとことん探そうと思えばデリケートな部分にまつわる描写が出てくるし、結局は人間は自分が可愛いんだなということが如実に描かれているけれどもそれが妙なテンションで爆走していく物語の中で時には笑えないほどのジョークとして存在しているのが凄まじい。凄まじい狂気である。あとCGと音楽がいちいち良くてズルい。そしてカオスの後に残された侘しくて切ないエゴの残した哀愁がたまらない。第三帝国の逆襲もおもしろかったが、個人的には初作のほうが好きだった。