愛なんてたかが知れてる - 震えるほど儚く

これまでずっとアクセント的に存在してたような気がする若干の湿っぽさを渋いパンクロックで毒々しくラブリーに昇華していて、拳を突き上げつつキャリーの日記のドリットとかシェイムレスのマンディみたいなスパイシーなおんなのこになりたくなる。おんなのこが好きになってしまうよくなおんなのこ(大義のカッコイイコンセプト)という意味のガールクラッシュではなく、おんなのこがあらゆるものを打ち砕いていくという概念においてのガールクラッシュを体現しているのが、アイドゥルのTOMBOYという楽曲なのかもしれない。MVの雰囲気も赤やピンクで毒々しくかつ甘ったるそうで負けなさそうで生命力が凄まじい。

It's neither man nor woman (Just me I-DLE) 「男でも女でもないただの私、アイドゥル」という歌詞の凄まじさも可憐である。生きているうちに付けられた、あるいは付けてしまったあらゆるラベルを剥がしてグリッターを振りまいて高らかに、パンクにそれを歌いこなしているのが良い。この歌詞こそアイドゥルというおんなのこがあらゆるものを打ち砕いていく、クラッシュさせていくという希望になり得る所以なのかもしれない。