専ら自粛生活で、twitterしか見ない生活をし、食べてばっかりで自堕落の一方だけど、一日一本映画を見ようと心に決めたのでちょこちょこ記録して行こうと思う。
普段は専らコメディやシットコムのような底抜けにハッピー溢れるものが好きなのであまりこういうものは見ないんだけれども、ちょうどハムレットを学ぶ機会があったので、その答え合わせとして見よう、と思った。
オフィーリア 奪われた王国 は、オフィーリアの視点から見たハムレットの物語である。
もしも、オフィーリアが死んでいなかったらという着目点のもと作られた作品で、監督も女性監督。話の大筋の流れはハムレットをなぞっているけれど、少しずつアレンジが加えられていて、何よりも、あまりにも顕著な男女の扱いの差というものが見ていて苦しい。今よりも何倍も、何十倍も、女性が女性として強くあることが難しかった時代の話。虐げられているということ、軽んじられているということがいささかあたりまえで、随所随所にそういうシーンが出てくる。
ハムレット劇中で出てくるオフィーリアは悲劇のヒロインそのもののようだと思っていた。運命と権力に翻弄されて、身も心も滅ぼされる。でもこの映画のオフィーリアは違う。花に囲まれて池に浮かぶ、あの有名なシーンから物語は始まり、彼女は「私の物語は誰もが知っているだろう」と言う。運命に翻弄されいくオフィーリアは、ずっと気を確かに持ち、強い心で自立していた。生きるということを諦めない。
悲しみの後に漂う希望のようだったな。